Lj HOME > Friendshop > GRATEFULDEADからもらったモノ FOOL THE HERMIT
1994年に大阪のアメリカ村で店をオープンした「FOOL THE HERMIT」は、その後南堀江に店を移しながらも、世界にひとつしかないオリジナル・パッチワークの洋服や小物、<Phatee><THC><GOHEMP>などのブランドのヘンプウェアや小物などを取り揃えるお店として長く愛され続けている。
オーナーの広野智之さんはお店を始める前、貴金属加工業のの彫金工房で働いていた。当時からアメリカのGrateful Deadのファンだった広野さんは、仕事を辞めるタイミングで、はじめて彼らのライブを訪れた。 「憧れ続けたGrateful Deadのライブ。Jerryを中心とした音楽にも胸を打たれたのですが、それだけじゃなかった。そこには人と人とのつながりだったり、助け合う気持ちだったり、『昔のこと』だと思っていた何かが存在している唯一の場所のように感じました。ベンダーたちが売っている服も、そこにいるデッドヘッズたちも、とにかく何もかもが面白かった。そこでパッチワークの洋服にも衝撃を受けて、自分たちで作って日本で売れないかなと思ったんです。ただ本音を言うと、仕事を辞めたときからどうしたらデッドのライブをいつでも聞きに行けるような生活ができるかと考えた結果として、店を開くことにいき着いたんですけどね」
「FOOL THE HERMIT」の名前は造語だ。広野さんは、ある日見たデッド・ムービーに出てきたライブ会場の外の壁に描かれた「先に進めよ、そこが天国なるぞ」という言葉に刺激を受けた。そこでタロットカード上に登場する愚かな人物「FOOL」と賢者の「HERMIT」を組み合わせて店の名前にしのだという。「デッドの歌詞にもよく出てくるように、人生には愚かさと堅実さと、その両方がなくてはいけないと思ったんですよね」と広野さん。そうして始まったお店には、デッドが全面に反映されるはずだった。
「95年8月、店がこれからというときに、Jerryが亡くなってしまったんです。大切な場所を失ってしまったような感覚でした。この事実にしばらくはやる気がでなくなってしまって。でもPHISHが出てきたことは大きくて。今はデッドを若い世代の人にも伝えたいという気持ちもあるのだけど、あくまでそれば僕個人が好きだったことで、結局Jerryはもういない。生きていること、生のライブを体感するということ、そういうライブ感というのは大事だと思うので、デッドを伝えたいというよりもそういう世界観が好きな人たちに向けて、パッチワークの商品を作ったり、空気感を共有したいなというのはあります。だから今は直接デッドにつながるような商品はあまり多くは扱ってないんですよ」
3年前からは不定期ながら「FOOL THE HERMIT」主催の〈STILL KEEOP TRUCKIN’〉というイベントを開催。イベント名は「まだまだ続けていく」の意。「時代は変わっても、オンザロードでやり続けるという感覚は残していきたい。イベントもお店もそれは同じです」と広野さん。Jerryのいるデッドは二度と見ることはできないが、そのスピリットが受け継がれるお店として、「FOOL THE HERMIT」は私たちにさまざまなことを教えてくれる。
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